犬の尿道閉塞・尿道結石

院長の森下です。今回は犬の尿道閉塞について書きたいと思います。

 

 前回の猫の尿道閉塞では雌猫より雄猫に多いと書きましたが、犬でも尿道の長さと太さの関係で雄犬に多いです。一方で雄猫では一般的な炎症に関連する死んでしまった細胞やタンパク質などによる閉塞はほぼなく、結石や尿道構造(腫瘍、損傷など)の変化によるものが一般的ですが、結石が原因のことがほとんどです。結石としてはストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石のいずれかのタイプが多いです。6歳まではストルバイト結石が多く、7歳以降はシュウ酸カルシウム結石が多い傾向という報告もあります。

 左上の写真は当院の尿道閉塞(尿道結石)であった5歳フレンチブルドッグの雄のわんちゃんのレントゲン写真です。矢印

の位置に尿道結石があります。体のポーズ(ポジション)を変えて結石を見やすくしたのが下の写真です。直径7ミリ位の不整形の結石が尿道を詰まらせて尿が出にくくなっておりました。赤い尿をポタポタ垂らしている状態でした。幸い飼い主様がその異常に早く気づきご来院されたので、前回の猫のケースでみられたような食欲低下や血液検査での著しい変化は認められませんでした。放置すれば命に関わる一大事。そこまで至らなくとも継続する強い尿意だけでも耐え難い苦痛であることは容易に想像できます。カテーテルで結石を尿道から膀胱へ移動させ、ひとまず尿を出せるようにした上で、手術により尿道を詰まらせていた結石を膀胱から摘出しました。結石分析の結果は、主にシュウ酸カルシウムを主成分とする結石でした。シュウ酸カルシウム結石は、ストルバイト結石ほど予防対策は容易ではありませんが、生活習慣を整えて上げることでこの子は術後数年経ちますが再発はありません。

 今回は犬の尿道閉塞、尿道結石について書いてみました。前回の猫の場合同様、犬でも放置するは生命に関わる怖い病気です。尿を出したそうなのに出ていない、赤い尿をしているなどの様子が見られたら、迷わず受診しましょう。では、また!