検査について

①問診・身体検査


診察の基本となる検査です。まずは、普段の動物の様子を飼い主さんにお尋ねします。普段飼い主さんが何気なく観察されていることが実は病気の兆候のこともあります。そして、獣医師が自身の五感を使って異常がないかを確認します。その後これらの検査により疑われる病気を列挙し、次にそれらの病気の中でどれが本当に原因となっている病気かを確認するために必要な検査を考えます。これは原始的な検査と思われるかもしれませんが、どんな高価な検査が可能な状況でもこの検査なしには診断は不可能です。


②血液検査


血液検査の成分を詳しく調べることにより多くのことがわかります。貧血の有無を調べられるのはもちろん、感染の有無、腎臓機能の評価、肝臓障害や肝臓機能の評価、栄養状態などヒトと同じような検査が可能です。


③尿検査


尿検査からわかることは血液検査と同じように多いです。尿路の感染の有無、結晶(結石の元になる粒)の有無を知りうるだけでなく、尿糖を調べることにより糖尿病の可能性を評価したり、腎臓機能の評価をしたり、時に肝臓の病気を見つけるきっかけになったりします。病院を嫌がるわんちゃん、にゃんちゃんでもおしっこなら自宅で採取することも可能です。特ににゃんちゃんは若いうちから泌尿器の病気が出る子が比較的多くいます。健康診断として尿検査をうけておくことはお勧めします。


④レントゲン検査


X線を利用して体の内部を可視化して評価します。骨や関節の評価、胸の中やお腹の中など外からは見えないところを評価できます。超音波検査と組み合わせて評価することが多いです。


⑤超音波検査


超音波を利用して体の内部を可視化して評価します。レントゲン検査で利用するX線とは可視化に利用する性質が違うためレントゲン検査と組み合わせることでより正確な評価ができます。また、心臓や腸などのリアルタイムの映像がえられるため、各臓器の動きの様子についても評価できます。


⑥細胞診


体のあらゆるところに起こった変化にどのような細胞が存在するかを評価します。存在する細胞により、外観上、レントゲン検査上、あるいは超音波検査上見つけた異常から考えられる原因を鑑別していくときに行います。


⑦その他の検査


当院ではその他、眼科の検査や皮膚の検査など各部位に特有な検査も必要に応じて行っております。